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  • 執筆者の写真theater KAN

朗読劇『初花~Souls never Die~』制作日誌vol.7

更新日:2020年6月18日

7月15日(海の日)@新宿ゴールデン街劇場

theater KAN プレ公演

朗読劇『初花~Souls never Die~』

12:00/15:00/18:00(3回公演)

前売:1800円 当日:2000円

(チケットレス当日清算)

ご予約はこちら↓

https://www.quartet-online.net/ticket/hatsuhana0715

 2019年7月15日(海の日)、新宿ゴールデン街劇場にて、朗読劇『初花~Souls never Die~』をtheater KANプレ公演として上演します。

 今回は朗読劇『初花~Souls never Die~』の内容について、少し踏み込んでご紹介したいと思います。

 この作品は二人の男の愛の物語です。建設現場で働いている古澤亮平とアートディーラーの宮森秀人。秀人の父は建設会社の社長、亮平はそこで働いています。物語の前半は二人の出会いからすれ違い、そしてともに生きていく決意をするまでを描きます。

 この前半部分を濃やかに描くことが、後半を意味のあるものにしていくために欠かせないのです。しかしながら、人間としての器が小さな主宰・松崎は、人さまの幸せな話を聞くのが得意ではないために、前半部分があまり冗長になることに抵抗を感じてしまいます。本当に主宰は小器です…。ですから前半部分をコンパクトにしながらも二人の愛情を描き切れるかどうか、その点に腐心しています。

 物語の後半で秀人は若年性アルツハイマーという病に侵されます。物語の核心というべき部分ですが、こちらはこちらでチャレンジングです。


 病に侵された秀人を必死に支えようとする亮平ですが、もし自分が亮平ならば病になった恋人をどこまで支えることができるだろうか?そもそも自分を犠牲にして誰かを支えるという心性が自分にあるだろうか?亮平という大きな愛の持ち主にどのように自分を引き寄せていくか、それを無理なく自然な像としてお客様にお見せできるか、この点がこの役を演じる主宰にとって大きな挑戦です。


 病に侵された恋人を支えるという構図は分かりやすいものですが、分かりやすいだけに底をリアルに表現することはかえって難しいのではないかと思っています。

 一方、病に侵されて徐々に記憶をなくしていく秀人を演じる竹下群青にとっても、後半部分はチャレンジングです。この物語は薄れていく記憶の先にあるもの、忘却の果ての真実(気障な言い方ですが)に目を向けようとしているのですが、言葉だけでそれをお届けするのは並大抵ではないと思います。それを群青さんがどう演じるのか、主宰自身、演出としても共演者としても、その点を楽しみにしています。

 結局のところ、群青さんと主宰が、秀人と亮平をどう生きるかという点に集約されると思います。彼らが本気でお互いを想い、お互いを愛することが不可欠ですが、彼ら二人の愛が、ある種の普遍性をもってお客様の心に響くかどうか、それこそが彼らに課されたもっとも大きな試練です。

 このチャレンジがあと3週間でどう結実するか、それは当日劇場でご覧いただいてのお楽しみですが、必ずお客様の心に届くように、さらに磨き上げていきます。どうぞ7月15日、劇場で彼らの愛の物語を目撃していただきたいと思います。

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