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  • 執筆者の写真theater KAN

朗読劇『初花~Souls never Die~』制作日誌vol.2

更新日:2020年6月18日

7月15日(海の日)@新宿ゴールデン街劇場

theater KAN プレ公演

朗読劇『初花~Souls never Die~』

15:00/18:00(2回公演)

前売:1800円 当日:2000円

ご予約はこちら↓

https://www.quartet-online.net/ticket/hatsuhana0715


 2019年7月15日(海の日)、新宿ゴールデン街劇場にて、朗読劇『初花~Souls never Die~』をtheater KANプレ公演として上演します。

 この作品は日テレ系ドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても』として生まれ、韓国に渡り『私の頭の中の消しゴム』という映画となり、日本に里帰りして朗読劇になりました。朗読劇として初めて上演されたのは2010年です。

 今回の朗読劇公演を思いついたとき、主宰・松崎が最初に考えたのはA.R.ガーニーの『Love Letters』でした。2人の男女の数十年に渡る往復書簡から成り立つ朗読劇です。この作品は今から10年前、主宰が設定を明治期の日本に置き換え、二人の男の物語として仕立て直し朗読劇『君想ふ文』という名で上演しました。

 しかし、不惑を迎えて新たな劇団を立ち上げ挑戦しようという主宰が、今回の公演で過去の自分自身の公演を焼き直し、自己模倣の檻に自らを閉じ込めるのも面白からず、新たな作品を作ることにしたのです。

 そこで『私の頭の中の消しゴム』を選び、これを翻案することにしました。

 『私の頭の中の消しゴム』を選んだのは、いい意味で分かりやすいラブストーリーであるということ。プレ公演ですから、あまり小難しい理屈をこねくり回したような作品を作るよりは、お客様の心に真っすぐ届くようなものが良いだろうと思ったのです。

 いま一つはこの作品が、セクシュアリティにこだわる必要がない作品だということです。

 この作品で主人公は若年性アルツハイマーに侵され、記憶が消えていくわけですが、愛する誰かを忘れることの苦しさに、セクシュアリティは関係ない。これが男女の物語でも、男と男の物語でも、女と女の物語でも、全く問題なく成立するということです。

 そして「忘れる」ということがテーマのひとつになっていることも、主宰の心を惹き付けました。「忘れる」、それは時に悲劇をもたらす、時に救いを与えてくれます。


 しかし忘却は全ての終焉であり清算であるだろうか?脳は忘れても、心に刻印される記憶というものがあるのではないか?そしてその記憶は、たとえ脳から消されたとしても永遠に残り、人生のふとした場面で無意識的にもせよ甦り、あるいは僕たちをより切なくし、あるいは僕たちに希望を与えるのではないか。


 ちょっと小難しいことを言っていますが、「忘れる」ということは主宰にとってそういう意味を持っている、非常に重要なテーマなのです。

 そういうわけでこの作品を選んだのですが、なかなか一筋縄には行きません。


 次回は翻案するにあたってのエピソードをお話しします。

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