松崎 丈
カンゲキ備忘録【音楽】『Avanti Piano Concert Vol.7』
更新日:2020年6月25日
とき:2019年5月6日(月)
ところ:角筈区民ホール
Avanti Piano Concert Vol.7

大型連休の最終日、twitterで拝見したピアノコンサートへ。
少人数小規模のアマチュア演奏会というインフォだったが、なんとも心揺さぶられる90分がそこには待っていた!
バッハのシャコンヌから始まったコンサート。
連弾用に編曲されたこの一曲。プログラムの演奏者の方のコメントには「シャコンヌから感じられる祈り~救済~信仰が共感して貰えるように」とあったが、共感どころかばっちりチャネリングしてしまうエナジーのこもった演奏だった。
演奏者が代わってベートーベンのピアノソナタ「熱情」から第1楽章と第3楽章。激しさの中に優しさを、優しさの中に峻厳さを感じる素晴らしい演奏。
さらに奏者は代わってA Chorus Lineより「What I Did for Love」の弾き語り、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」Op.72-2のピアノソロアレンジ版。これがなんともはや、心奪われる名演奏!そして同じくドヴォルザークの「詩的な音画」より「聖なる山にて」は初めて聴いたが余情たっぷりのこちらも名演。
またまた奏者が代わって、ショパンの「ノクターン」変ニ長調Op27-2。大好きなこの曲を実に丁寧に演奏してもらい嬉しさも最高潮。
そして最後の奏者はヘンデルの「シャコンヌ」とショパンの「スケルツォ」第3番Op.39を、ピアノのレッスンを再開して2年とは思えない堂々の弾きっぷり!
すべての演奏から「心を込めて」という月並みなこの言葉の威力を、しっかりと感じさせていただいた。それは表現者におけるもっとも基本的で、しかし最も忘れてしまいがちな大切な姿勢なのだ。
作品と誠実に、真摯に、正直にまっすぐ向き合う。その大事さを改めて気づかされた、とても幸福な時間だった。