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  • 執筆者の写真松崎 丈

カンゲキ備忘録【演劇】『29歳、23時』

とき:2020年7月20日(月)

ところ:YouTube(高円寺K'sスタジオ)

Group B presents ツイキャス10ミニッツ・ミュージカル『29歳、23時』

 

 7月18日(土)ツイキャスとYou Tube Liveで配信されたツイキャス10ミニッツ・ミュージカル『29歳、23時』。


 リアルタイムで拝見する予定だったのですが、仕事が押しに押してしまい観られずじまい。


 残念!無念!!残念!!!無念!!!!


 人柄はすこぶる善良ながら話がやたらと長く、僕を残業の憂き目に合わせた某氏をその夜はちょっとだけ恨めしく思ったのです。


 しかしtwitterをのぞいてみると、なんとすでにアーカイブに動画がアップされているではないか!!


 「すわこそ一大事!」とばかりにYouTubeにアクセス。


 最近は舞台作品の動画配信チャンネルも多々あります。

 そういう媒体で観劇するときも、できる限り劇場に近い形で観たいと思う僕は、基本的に「ながらみ」をしません。しっかり集中して観たいと思うのです。


 そして自分に課す条件があって、できるだけ二度見をしない。

 生の舞台ならよほど気に入った作品でなければ二度観るということはしません。

 それと同じ条件で観たいと思うのです。


 だから今回もあらゆる作業の一切の手を止めて、この作品にのみ集中できるように、部屋の照明を落として画面に正対します。さあ、幕が上がる…。

 

【あらすじ】

あと1時間で20代が終わる……。旅に出たまま帰ってこない「彼氏」を待つ「彼女」 の、心の揺れを描いた10分間のミュージカル!

 

 『29歳、23時』、タイトルがとても素敵です。

 この年齢と時間をすでに経験した人にしか分からないような独特な感じがありますよ。

 焦り、決意、希望、あきらめ。プラスもマイナスも、ポジティヴもネガティヴも、いろんな感情が詰まっているのが29歳の23時でしょう。


 僕は恒常的に日記を書く人間ではないのですが、19歳と29歳と39歳と1年間だけは1日とあけず日記をつけているんです。「9」のつく歳はやっぱり特別な思いがありますね。


 しかし10分のミュージカルってすごいですよね。

 まさに「切り取り力」が試されるという感じです。


 10分の中にギュッと凝縮されたストーリーの中で、そこに至るまでの登場人物の人生、そこから先のその人の人生をどう見せるかというのは並々ならぬことです。


 それに挑まれているというだけで、もう僕は涙がちょちょぎれてしまうのです。

 率直に「すごいなあ!」と思うし、頭が下がります。


 この十数分の作品を観ていると、彼氏とそれを待っている彼女のいままでの道のりが、いろいろと想像されるのです。


 もちろん観ているこっちの勝手な想像ですよ。でも実にいろんな場面が浮かんでくるのです。


 二人でディズニーに行ったとき、彼女は大はしゃぎにはしゃいだんだろうな。そんな彼女を、彼はちょっとあきれたように、でも愛おしいと思ってたんだろうな。


 ピクニックに行ったとき、たぶん彼女は早起きして一生懸命にお弁当作ったんだろうな。でもきっと料理が下手で、おにぎりは不格好、唐揚げは焦げて真っ黒、卵焼きは塩っ辛かったんだろうな。


 けんかした時は彼女が意地を張るんだけど、結局先に「ごめん」を言うのは彼女なんだろうな。


 そんな景色がどんどんと浮かんでくるのです。そういう想像を許してくれるのがストーリーの懐の深さだと思います。


 主演の村田さんの歌声は緩急自在という感じ。観ている僕たちをしっかりと引き込んで離してくれません!


 僕はこの方のお芝居を初めて拝見したのですが、ちょっと(と言うか、僕的にはかなり)ライザ・ミネリを彷彿とさせるのです。


 お顔立ちもさることながら、歌声もね、それこそ映画の『キャバレー』の頃のライザが頭に浮かぶのです。この方、『キャバレー』おやりにならないかなあ。ぜひ観てみたい。

 

 たかが10分と侮るなかれ、この10分はこれ以上ないくらい濃密な濃密な10分です。

 ストーリー、演技と歌唱、伴奏のどれをとっても相当ハイクオリティ!!

 10分でも大きな劇場でのミュージカルを1本観たのと同じくらいばっちりの満足感を与えてくれます。


 こちらで7月31日まで視聴可能です(勝手に宣伝していいのかなあ…?)

 https://www.youtube.com/channel/UCgSaI8df_9MleW6-wjyRaOQ


 それにしても短編づくりってのは、創造力を鍛えるのにはかなり効果がありそうだと改めて。僕ももっと精進しなければと改めて感じました。感謝。

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