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  • 執筆者の写真松崎 丈

【鉛頭一割】初日を前に思うこと


 いよいよ明日、theater KAN vol.1『Merde!~僕らが舞台に立つ理由~』初日を迎えます。


 その前に、先週と先々週の金曜日、素晴らしい舞台を2本観劇したのですが、その備忘録は自分の所の公演が落ち着いてから。

 7月にプレ公演として朗読劇を行いました。そのときとはまた違う感慨に、いま身を任せています。


 再び芝居ができる幸せ。


 決して優しいわけでなく、面倒見が良いわけでもない僕に付き合って舞台に立ってくれる劇団員たちへの思い。


 いつも支えてくれる劇場スタッフや関係者の皆様への感謝。


 なにより僕を再び舞台に立たせてくださるお客様への、とても言葉にはできない想い。

 

その全てが混然一体となって、いま僕の両の目は熱い涙に浸されています。

 出陣の前の涙は不吉だとか。

 しかし明日、劇場へお運びくださる皆さんのお一人お一人を思うにつけて、僕の心はいやが上にも高揚しています。

 その高揚をいかんなく舞台にぶつけることが、僕にできるただ一つのこと。


 言葉にすることで初めて伝わる愛もあるかもしれない。


 しかし役者の愛は舞台を精一杯つとめ、自分の魂を丸ごとぶつけることでこそ伝えるものだと僕は固く、固く信じています。


 暑苦しい愛かもしれない、鬱陶しい愛かもしれない。


 でも僕は役者としての自分の愛を、明日から3日間の舞台でぶつけます。


 ひとたび舞台を降りれば、脚本家としての僕、演出家としての僕、プロデューサーとしての僕がいるでしょう。


 しかし舞台の上での僕は、ただ一つの役者です。


 「僕の愛を受け取ってください!」なんて傲慢なことは言いません。ぜひ厳しい目でご検分ください。みなさんの厳しい目にきっときっと答えてご覧に入れます!

 さあ、いよいよ幕が開くぞ!

 そのときは言おう、精いっぱい大きな声で!

  Merde!!!!!

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