theater KAN
『Merde!~僕らが舞台に立つ理由』制作日誌vol.6
2019年11月22日(金)~24日(日)
新宿ゴールデン街劇場
theater KAN vol.1(旗揚げ公演)
『Merde!~僕らが舞台に立つ理由』
前売:2,500円 当日:2,800円(全席自由)
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僕たちtheater KANはこじんまりとした小さな所帯です。
11月公演に出演する一番若手のメンバーは19歳の馬場このは。貴重な若手メンバーです。
舞台俳優はいくつになっても何歳の役でも演じなければなりません。
かの杉村春子先生は長らくおさげ髪をし、シュミーズをお召しになりました。
しかしやはり小劇場の生の舞台でお客様に見ていただける役柄を演じるには、役に相応の実年齢の役者は不可欠です。比較的年齢層の高い役者が多い我が劇団で、少年~青年役を演じられるのは馬場このはを置いてはいないのです。

11月公演で馬場このはが演じるのは彼の実年齢と同じ19歳の青年です。
自分と等身大の役を演じることにはそれなりの難しさがあるでしょう。役者としての引き出しが充分でない段階で演じるのはなおのこと困難が伴います。しかしその困難を超えていかないと役者としては成長できません。
その困難を超えることができるかどうか、それは本人にかかっていることで、主宰もヒントは出すことができても代わりに乗り越えてやることはできません。
主宰も劇団員も、馬場このはならこの困難を乗り越えてくれると思いつつ見守っています。
馬場このはを見ていると、19歳の頃の自分を思い出します。
ろくすっぽ大学の授業にも出ずに、仲間と作った劇団で毎日毎日ケンカしながら、議論しながら、ひたすら稽古していた日々。お金はないし、悩みも不安も多かったけれども、とにかく舞台に立てるだけで嬉しかった。芝居を中心に自分の世界が回っていた。

そんな自分たちでも先輩たちからすると「情熱が足りない」「熱意が足りない」と散々言われたものでした。そう言われれば反発する気持ちも湧いてきたけれども、その気持ちをバネにして、また舞台に立つ日を首を長くして待っていたものでした。
主宰として自分と同じ気持ちを劇団員すべてに求めるのは傲慢だと思いつつ、劇団員たちがそういう気持ちを持ってくれる環境を作ることも主宰としての仕事だと思っています。
なぜならば舞台に立つことは本当に喜びに満ちたことなのだから!!
若いということは伸びしろがたくさんあるということです。
公演までの残り2ヵ月弱、馬場このはがどこまで伸びてくれるか、どこまで伸びるべくヒントを与えられるか、本人も主宰・演出ももうしばらく格闘の日々が続きそうです。
そんな馬場このはの演技をぜひ劇場で!
それでは馬場このはからのメッセージをどうぞ。